回想

 

これは 約一週間前のできごと。

書こうと思っても 内容がビミョーだった為に Upが遅れてしまったもの。

 

ちょっと長いし まとまりも悪いけど、こんな事がありました。

 


 

 

どうも何かがおかしい。

 

それは最近の白熊の態度から感じていたこと。

 

びりびりした緊張と怒りと疲れが 何もいわずとも 伝わってくる。

 

クチを開くと サイアク。

 

かと思えば、妙に明るく陽気にふるまったり お金を使いたがる。

 

『 よくない 』 負の空気がある。   

 

 

 

土曜の日 親戚を招いての昼食は 白熊は始終無口だった。 

彼の視線が サイド・ボードの上にある白い封筒にいっては戻ることに 私はすぐに気がついた。

 

『 raccomandata : 書留郵便 』

 

であることを そっと目の端で確認した。 封はまだ切られていない。 

親戚が帰っていって 居間が静かになってから 白熊が食堂に戻ってゆく姿を目で追った。

 

のしのしと歩き回る音が聞こえて しばらくしてから 

「 でかけよう 」 と イライラした声で白熊が現れた。 

 

車にのって妙におどけた声で一言。

「  さぁ、どこにいきたい? 」

 

ちょっと考えて 言った。

「 海に行きましょう 」

 

 

カーニバルの終わった Viareggioの道には まだうっすらと紙吹雪の後があった。

白熊は何もいわずに ずんずん一人で歩いてゆく。

 

太陽はあっても まだ肌寒い海辺では いち早く夏を感じたい気早な伊人であふれてた。

 

 

こうやって 一人の世界に入られてしまうと 私は どうも対応のしようがない。

 

「 あの手紙には 何が書いてあったの?」

頃を計って 聞いてみたけど いやな顔をされただけだった。

 

『 こんな風には 続けて行かれない 』

 

と ふと思ったりもする。

 

何かが だめになってゆく・・・そういう 空気を感じる。 だけれど 何がだめになってゆくのか。

 

夕焼けを見たくて 浜辺にいった。 

久しぶりに海に沈んでゆく 太陽をみた。

 

じっと見つめていると まばたきが少ないためか 風が冷たいためか じんわりと涙が出てくる。

「 泣いてるの?」 ぼそりと白熊がいう。

「 感動しているわけではないんだけれど 風が目にしみて・・・ 」

 

斜めから白熊が私を見ている。

 

 

白熊が爆発したのは 夕食時だった。

二人のお気に入りのPizza屋さんで 白熊は言った。

 

「 車を誰かにゆずらなきゃいけない 」

 

お気に入りのMini Cooperは 白熊の会社名義になっていた。

 

再びやってきた負積の催促は 20日間が指定。

その期間に払えなかったら 車を差し押さえるという。

金額は小さなアパートが軽く買える程の値段だった。

 

「 たとえ払えたとしても これが最後ではないのよね? 」

「 ・・・サイアクはいつも最後にくると相場が決まってる。 最後じゃない。 」

 

車の名義を換えて それが差し押さえられなかったとしても 彼の工場や財産はどうなのだろう。

( 財産といっても 彼は両親の家に住んでいるし、工場の他には車ぐらいしかなかったけど )

 

「 日曜の昼に 誰がMiniをうけとるか 聞く 」

 

屈辱に燃えた目。

 

この目はしばらく忘れることができないだろう。

 

白熊は 誇り高く、頑固すぎる。

 

 

土曜の夜は白熊家で眠った。

眠る前に 自分のベットにすでに収まっている白熊のもとに行く。

 

ぱんぱんと 布団の上から 白熊の体の形に周りを押さえてゆく。

ミイラのようにしっかり白熊を布団に囲ませると 以外に小さく かよわげに見えた。

 

「 今日は きちんと話してくれてありがとう 」

 

そう言うと 布団の下から 小さな目を細めて白熊がいった。

 

「 どういたしまして 」

 

 

部屋の端で寝返りをうつ白熊の音が耳をうつ。

 

うとうとしかけたら

 

「 ・・・なんてこった!!! 」 と苦々しい押し殺した声が聞こえて はっとした。

 

布団の中で 様子をうかがうと しばらくして スーっとした寝息に変わった。 

 

「 サイアクは最後にやってくる 」

 

そうだとしても 生きて 苦しんでも、こうして息をしてるではないか。

人生はまだまだ長いんだから 負けないでくれ 白熊。

 

 

いつも通りの楽しい昼食。

私が歯を折ったりなんかして 盛り上がっているところで (涙)

白熊は 無造作に切り出した。

 

「  僕の車、誰が欲しい? 」

 

瞬時、お兄さんと私の視線が テーブルの上で交差する。

たぶん、この席で その意味するところをよく分かっていたのは 私たち2人なのだ。

 

「 どうして~?Miniあげちゃうの??? 」 ディレが無邪気に聞く。

 

本当は ディレの居ない場所で きちんと家族で時間を取って 話し合うべきなのに

白熊は そういう事をしない。 家族そのものが 怖がっててしない。

 

絵に描いたようなイタリア人のあたたかな昼食で

言葉は 宙ぶらりんに 浮いて聞こえた。

 

しばらく ぎこちない会話が続いて

最終的には 白熊マンマに名義を換えることになったけど・・・・。

 

本当は 私が引き取れたら良かった。

( これ以上にないくらい部外者だから )

 

けれど

 

「 毎年 滞在許可証が切れる、最低の保障しかない身 」 であること

「 伊の免許を所有していないこと 」 「 十分な支払い能力がないこと 」

が 歴然としていて、私が・・・とはいえなかった。

 

名義だけ、ということで これからも白熊が使うのであっても

いざという時には そんなことは通用しない。覚悟がなければ 引き受けられない。

 

マンマ名義にする、という事がきまったとたん

みんなふつうの会話に戻るのがもどかしい。 だけれど まだここで終わるはずはない。

名義を変更して車が差し押さえられなくても

結局 いきつく所はおなじ。

 

目先の事だけ考えて するする逃げていたって どうしようもない。

 

緊張が少し解けて 言葉がやっとでてきた白熊の横顔を見ながら そう思った。

 

 

結局、月曜も午前中だけ Pratoに残り

白熊の事務手続きにつきあった。

 

弁護士・会計士・ACI 

 

ひょうしぬけするぐらい簡単に 車の所有権はマンマに移った。

 

隣の白熊の肩の緊張がほどけるのがわかる。

 

駅まで送ってもらって

 

「 おつかれさま 」

 

というと、ふと まるで初めて私をみたかのように 目を見開いて

その後 すごく不思議な表情になった。

 

「 どうかした? 」

と聞くと

「 ううん、なんでもない 」

と帰ってきた。

 

しばらくして 携帯に

 

『 君を駅で降ろしてから すぐに 君がいなくて寂しいと思った 』

とメールが入ってた。

 

 

白熊マンマはいう。

 

「 白熊は 問題があると固くクチを閉ざして 話そうとしてくれない。

昔は こんなんではなかったのに・・・・。

 

多分、私たちよりも あなたの方に いろいろ話せるのだと思うから

お願いだから そばに居て、話を聞いてあげて。 」

 

私は マンマに言う。

 

「 私は話は聞けるけど、伊の社会に属していないから

現実的な助言は 彼にできないのよ。

一度きちんと マージョと白熊兄、白熊の3人で話し合ったほうがいいと思う。

そこの所を考えて欲しい。 事はすでに切実なのだから。 」

 

私にできることって なんだろう。

 

見守ること?

 

話を聞いて そばに居てあげること?

 

家族と白熊の間を とりもつこと???

 

 

 

チガウ。と思う。

 

 

あってるけど 微妙に違う。

 

 

 

じゃぁ、どうなのか?

 

その答えは まだ言葉としての形をとりにくい。

けれど 知っていると思う。。。そして 行動する。 それだけの力は私にはある。

 


 

この前の土曜日は 白熊、髪の毛を切ってさっぱりとした顔で 私に会いにきました。

 

すっきりとして 何かがふっきれたような顔。

 

良くも 悪くも それが人生なのだから

 

ここぞというときには 悩んだり くやんだり、おこったりしていいと思う。

 

人には人なりの 答えの出し方がある。

 

 

私は白熊の強さを信じています。

 

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回想 への8件のフィードバック

  1. カルメン より:

    適切な言葉が浮かびません。。。
     
    このまま、この道で行かれると心に決めてらっしゃる白熊さん。白熊さんの仰るように最悪は最期にくる。と思います。。。きっとこの名義の話も、序章なのだろうと推測します。。。
     
    もう支離滅裂な文章になることを覚悟で書きます。
     
    白熊さんのお母さんにバロンさんが言われたことは、最もですよね。母たるもの、命がけで白熊さんと話し合う時期に来ていますよね。。。
     
    本当にバロンさんと付き合われて、白熊さん、幸せだと思います。バロンさん、すごく包容力を文面から感じます。
     
    バロンさんの仰るように、怒って苦しんで限界になって、だれかに放出して。これからやってくるもっと辛いことを、きっと白熊さんなりの答えを出して、「生きかた」を見つけられることを願っています・・・プライド、誇り高い、頑固。これって、いい方向に進むときもありますが、視界を曇らせてしまうこともあるきがします。(見当違いでしたらすいません。)
     
    バロンさんが白熊さんにしてあげられること、
     
    >その答えは、まだ言葉としての形をとりにくい。
    そのバロンさんの気持ち、簡単に分かるなんて言ってはいけないんですが、分かります。。。
    なので、私が言葉としての形をとるなんてできませんが。。。私なんぞに言えることは、白熊さんが、「君がいなくて、寂しいと思った」とメールされてきたところに答えのエッセンスがあるように思います。。。
     
    でも、バロンさんなら、きっと漠然としてでも、もう分かってらっしゃると思います。
     
    重ね重ね、白熊さんが白熊さんの人生について、答えをだされますように。。。
     
    追伸:本当に見当違いなこと言ってたら、叱咤してくださいね☆「それは違うぞカルメン!!」って。私は未熟ですから!

  2. りか より:

    歯がゆいですね。
    何かをしてあげたいのに、見守るしかできない自分って、辛いです。
    ヤツも自分で商売をしています。
    うまくいっていないときの、手のさしのべ方がアタシはまだわからないんです。
    いつも最後は、本人がひとりで解決していくんです。
     
    白熊さんは辛い思いをしている、バロンさんも。
    大変だと思うけど、頑張ってくださいね。
    メールの言葉から、白熊さんはバロンさんを頼っているのがわかります。
    物理的な面ではなく精神的な面で。
    こっちを支える方が、そばにいる人間にとっては辛いことだけど。
     
    幸運を祈ります!!
     

  3. Unknown より:

    一番言いたいことは前回、12月に書いたので、今回はちょっと厳しい言葉を。
    「借金で首が回らなくなる男は、カッコつけの激しい男。なりふり構わず、ができる男は、首が回らなくなる前に、なりふり構わず解決の方法を探し出している。」
    …同じように会社がうまくいかなくなった夫と離婚した、ママ友達と話していたときの言葉です。
     
    白熊さんに「なりふり構わず」ができる強さがありますように。
    白熊さんがバロンチャさんやご家族の皆さんに「なりふり構わず」の姿をさらけ出せますように。
    そんな白熊さんを、バロンチャさんとご家族の皆さんで支えることができますように。
    心から祈っています。
     

  4. Baron より:

    カルメンさん☆
     
      見当違いなことはいっていないよ~。
      大丈夫ですって カルメンさんヽ(´ー`)ノ
     
      今回の事は バロンもどう書いたらいいのか
      果たして 書いてもいいことなのかどうすら
      よく分からなかったことで
      自分でもきちんと整理のできないまま
      Upすることになってしまいました。
     
      白熊にはサイアクを待つことなく
      自分なりにけじめをつけて欲しい、と思うけど
      白熊の力が試されるときだと 私は思ってます。

  5. Baron より:

    りかさん☆
     
      みているしかできないのは歯がゆいけど
      結局すべての答えは本人の中にあると思うので
      私は 大丈夫だと思ってます。
     
      りかさんの旦那さまも りかさんに支えられているように
      人間は その人を思う誰か、大切に思う誰かがいれば
      最終的には大丈夫。
     
      大丈夫なハズ(^_^;)b ←いまひとつ言い切れない
                    のが くやしい。
     
      ごらぁ~!がんばれ~白熊~!
     
      

  6. Baron より:

    ぐうたらねこさん☆
     
      なりふりかまわずできる人は
      最高にかっこいい、と私は思うけど
      そういう人は いつも自分以外の何か
     
      「 信念 」「 愛する人 」「 家族 」
     
      そういうものを持っていると思う。
      
      苦境は 周りから容赦なくくるときもあれば
      自分で招いてしまうこともある。
      
      でも たいていは解決するだけの力が
      それに見合う強さは当事者の中にはあるのだと思うよ。
      
      白熊がたとえ これでつぶされてしまっても
      将来 大きく実りとして返すだけの力があるだろうと
      私は かってに考えてる。(^_^)
     
      

  7. meow より:

    こういうディレちゃんの言葉って、無邪気なだけに辛くなりますね。
    こういう風に話していると、こういう辛い雰囲気がまた出てくるのかなと思います。
     
    バロンさんができること、バロンさん自身がどう考えているのかはわかりませんが、白熊さんにとってのバロンさんは、メールに集約されているんだと思います。
     
    彼も自分で仕事をしていて、今はかなりきつい状況のようです。だから休みなく仕事していて。
    うまくいっていないのはわかるけど、具体的なことは何も言いません。
    私が簡単にできることでは何の解決にもならないし、彼が方向性を決めるまでは静観するしかないと思っています。
     
    言いたいことがうまく言えないけど、バロンさんをはじめみなさんが、辛い思いや重い雰囲気を味わう期間が短いことを、白熊さんが自分を追い込まないことを、早く前向きに動き出すことを祈っています。

  8. Baron より:

    Meowさん☆
     
      うん。ありがとう(^_^)
      
      白熊も具体的な事は何も言わずに
      ただ黙々と働いていて、私もはっきりとした事は
      実はよくわからない。
      
      でも 男なんだから、自分の人生なんだから
      このぐらいの苦境乗り越えられなくてどうするよ!と
      あえて他人の私は つきはなして見ている感もあったりして。
      
      そのぐらいタフでなかったら 私が選らんだ意味ないぞ、と。爆
     
      願わくば みんなが自分自身をおいつめて つらくなったり
      事をややしくしたりしないで 一番よい解決法を見つけられたらと
      それは 本気で思うのですけど。
      
     
      

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